春。共用の打合せスペースから堂々としたピンクを覗かせる桜
FUCA▶︎LAB(フーカ デルタ ラボ)とはFUCAに続き、昨年オープンしたシェアオフィスのこと。
FUCAというアート施設を運営する中で、クリエイティブとビジネスとの融和がより進むことへの期待を関係者の誰しもが感じていたことがきっかけとなって、このシェアオフィスは生まれました。FUCAの名称を継承した理由はそこにあります。
場所は九州最大の歓楽街、中洲の北側で、一般的にイメージされる賑やかな中洲とは違い、落ち着いたエリア。三角州の先端に位置するとあって、デルタの異名を組み込んだ訳です。
目に見える特徴は屋上のルーバルだけだったレトロビル。ポテンシャルを頼りにリノベーションを施した
海や川という自然を感じさせる環境にありながら、橋を渡ればすぐ天神、すぐ地下鉄、からの空港。といった利便性の高いロケーションは正直ズルい。と、いうのもこの天神の北に位置するエリア、個人的には随分前から目を付けていて、最近は個性豊かな店舗や、熱視線を注がれまくっている会社さん(特にIT系)が集積しつつあって可能性の固まりみたいなコミュニティとなっていいます。
入居者もそのコミュニティを体現するような個性的かつ可能性を秘めた面々。WEBコーディングのプロ集団「Parachute」さん、ソフトウェア開発の「フォーマルハウト」さんに「こじか屋」さん、建築設計事務所「服部将也建築設計事務所」さん、「CGFM」さんと「GRAFOO」さんはデザインと、現在7組が入居しています(2014年9月11日現在/空室はございません)。
一番広い区画の1Fは「Parachute」さん。素敵なオフィスに改装してくれました
今回は、その中から個人的にすごく気になっていた「博多図工室」さんにお邪魔しました。
3Fの「博多図工室」さん。見慣れない工作機械が所狭しと並んでいます
アーティストからベンチャーまで、ものづくりに関る全ての人々、企業をサポートする「博多図工室」さん。3Dプリンター、レーザー加工機、カッティングプロッターと、単語は聞くけど、そう触れることのない工作機械がズラリ。創作意欲を刺激されると、各方面から噂は伺っていましたが、実際に触れてみるとまさにその通り。
室長の鈴谷さんいわく、最初から利用が目的でなくてもまずは図工室に来てもらえたら嬉しいとのこと。まさに僕がそうであったように、視察でもフラッとでも、新しいものづくりの可能性に直に触れることで、インスピレーションを刺激される空間だからでしょう。
「博多図工室」代表の鈴谷さん。イベントでの登壇やワークショップに引っ張りだこ
以前は中央区高砂にいらした「博多図工室さん」。FUCA▶︎LABの立地はアクセスが良いということもあり、見学者も増えたと言います。また、運営サイドとして何より嬉しいのは、既に他の入居者さんとの間でコラボレーションが生まれていたこと。
まだ大きなプロジェクトではないとはいうものの、案件に応じて、互いが互いの専門領域をリレーするという流れは既に出来上がっている様子。
ボーダレスな3Fのオフィス区画は和気あいあいとした雰囲気
同じ屋根の下、IT、建築、デザイン、アート、プロダクトと、多岐にわたるものづくりの人々が集まればその流れは当然のことかもしれませんが、入居者同士の繋がりは更にその先を期待させてくれます。
FUCA▶︎LABの共用スペース
福岡へお越しの際は立ち寄ってみてはいかがでしょう。
みなさんの訪問が、大きなプロジェクトを生みだすかもしれません。
photo : Yuichiro Hirakawa