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news 2014.6.2
 
Rトピックス
ちくご移住計画2014〜仕事付きトライアルステイ第2弾~
坂田賢治(福岡R不動産/DMX)
 

昨年から始まった仕事付きトライアルステイ、今年は6つのプログラムを用意しました。

※イベントは終了いたしました。ありがとうございました。

2011年から始まった「筑後トライアルステイ(注)」、昨年は仕事付きのプログラムに進化しましたが、今年はクリエイター向けから職人修業まで、種類も数もパワーアップして開催します。


(注)トライアルステイとは:地域の魅力的な空き家を移住希望者にお得な条件で提供し、体験居住を通して地域とのフィット感を確かめていただくプログラム

2011年からトライアルステイを行なってきて、移住へのハードルがいくつか見えてきました。特に大きなハードルが、田舎には仕事が少ないこと。もちろん小さくても魅力的な会社はたくさんあるのですが、都会で仕事を見つけるのに比べると、正直大変です。

そこで昨年は、「フリーランスの方には移住の助走期間として行政の仕事を発注する」、「仕事を探したい人には筑後地域が持つスキルを学ぶ」プログラムを行ないました。

どれも面白い企画だったため、多くのメディアから取材を受け、新聞6社に12回、TVでは3局に4回、雑誌にも2誌というトライアルステイ始まって以来の注目度でした。

昨年のプログラムを振り返ると……「クリエイター編」では6ヶ月間みやま市に滞在し、市の地域情報誌を制作。その中で多くの人と繋がりができ、このクリエイターさんはその後もこの地域と関わっています。まだ準備中ではありますが、トライアルステイがきっかけで新たなプロジェクトが動き出すとのこと。

大川の建具職人に弟子入りした「木工職人編」では、家具の販売という近いようで遠い業界から木工職人の世界に入った昨年の体験者が、トライアルステイ後にそのまま移住し、現在はその建具職人の下で働いています。初めは新しい世界に不安があったようですが、3ヶ月間の体験で、この世界でやっていきたいと決心したそうです。

左:木工未経験でしたが3ヶ月で少し職人らしい雰囲気に。 右:アーティストが九州芸文館で行なったワークショップ。

また、「アーティスト編」では、昨年、筑後市にできた新しい芸術文化交流施設「九州芸文館」と共同でアーティスト・イン・レジデンスを実施し、現代アートという未知なものを市民にとって身近な存在にすることができました。アーティストの新たな視点は、筑後市の魅力を再発見するきっかけになりました。

と、このプログラムをきっかけに実際に移住した人もおり、仕事をしながら暮らす体験が、ただそこにステイするよりも濃く充実した時間になることがわかりました。今年はさらに、新たなプログラムを加えて筑後の魅力的な仕事を体験していただきます。


※筑後にある魅力的な仕事については昨年度の募集コラム「ちくご移住計画2013始まります。」でも紹介しています。

新たに加わるのは、1)久留米市田主丸の江戸時代から続く酒蔵で酒造りを体験する「酒造り編」と、2)福岡でも有数の観光地・柳川で「神棚職人」と「川下りの船頭」のもとで学ぶ「柳川編」、3)自然と文化が混在するうきはで田舎の拠点で働く体験をする「SOHO編」の3つ。

筑後地域は自然が豊かで、ゆったりとした時間が流れています。


※筑後地域の住環境としての魅力は「トライアルステイ『ちくご暮らし』のすすめ(2011)」や「田主丸、そして筑後エリアにいってきた」、「トライアルステイ『ちくご暮らし』2011レポート」でご紹介してきましたので、詳しくはそちらを。

それではさっそくプログラムの説明へ。自然豊かな環境のもと、働きながら暮らすというのは、地域を深く知るよい機会になるはずです。今回は6つの市がそれぞれ地域の特色を活かした面白い独自プログラムを用意してくれましたので、地方への移住に興味のある方は是非チェックしてみてください。

各プログラムのご紹介

【クリエイター編】
隠れた魅力に溢れた「みやま市」に暮らし、地方に仕事を作る4ヶ月

平野が広がるみやま市ではこのような田園風景が溢れています。

昨年6ヶ月にわたり、みやま市に滞在し地域の情報誌を作成していただいたクリエイター編。
今年は体験しやすいよう期間を短くし、グルメマップを作成していただきます。


※昨年のプログラムの様子は、参加したクリエイターのブログがありますので、こちらをご覧ください。

2011年のトライアルステイからたくさんのクリエイターさんが筑後地域に滞在していただきました。その中には実際に移住された方もいましたが、ある理由で断念した方も多かったです。

その理由は、移住先での仕事を生み出すのに不安があること。筑後に拠点を移しても、仕事は東京や福岡など都会のクライアントとのものだけだと移住する魅力が少ないと考える方が多いようです。筑後に住むなら筑後の仕事もしたい、と。

そこで今回は、グルメマップを作る過程で地域の飲食店と交流していただいたり、講座の講師をしていただくことで地域の事業者と繋がっていただく機会を作りました。

実際に僕も3年ぐらい筑後に通っていますが、仕事で関わることで地元の事業者さんと仲良くなる機会が多かったです。何かを一緒に行なうことで、人となりが分かり、その後の関係に繋がるような気がします。これは都市部でも言えることですが、ローカルだとよりその傾向が強いです。

さて、今回の舞台となる「みやま市」、昨年も書きましたが、正直なところまだまだ知名度がありません。

左:有明海で盛んな海苔の養殖。 右:みやま市の山間部ではミカンが有名。

でも、実は食材の宝庫です。
例えば、海では有明海の海苔、畑では麦やセロリ、高菜などの豊富な農産物、さらに山にはミカンやタケノコなど、合併して大きくなったみやま市は海も山も川も平野もあり、それぞれの自然の恵みを味わうことができます。

左:赤米などの珍しい品種も栽培しています。 右:天然の炭酸水である長田鉱泉。

そんな豊富な食材を味わえる飲食店があるのですが、案の定、情報発信がうまくできていません。

また、情報発信やブランディングなどお客さんにきちんと存在を知らせることがまだまだ不得意な事業者が多いため、その必要性と方法を学ぶ機会も必要だと感じています。

そこで今回のプログラムでは、自然豊かな環境でくらしながら、地域の情報発信力を上げるお手伝いをしてくださるクリエイターを募集します。

具体的には、4ヶ月間みやま市の戸建住宅に住んで、グルメマップを制作していただくというもの。

期間:2014年9月~2014年12月までの4ヶ月間(6ヶ月間まで延長可)
募集定員:1組(個人のほか家族またはグループでの参加も可)
報酬:30万円
賃料:月額500円(水道光熱費は自己負担)
応募締め切り:6月30日(月)

居住物件は、山の麓に建つ12畳の広い居間から緑を望める戸建。
やや古いですが、8DKととにかく広いので、ゆとりある田舎暮らしを体感できるはずです。

左:路地の先にある今回の居住物件。 右:12畳もある広い居間。とにかく広いです。

グルメマップの方は、みやま市の観光協会と共同で制作していくので、デザイン・コピーライティング・編集・撮影など持っているスキルを活かしてその一部を担っていただきます。

居住する期間は4ヶ月ですが仕事の時間配分などは比較的自由になります。制作に関する仕事時間以外は元々持っている仕事をしてもOK。打ち合わせなどで市外と行き来するのも自由。もっと滞在したいという方には最長6ヶ月まで延長することが可能です。

講座の内容については、市の担当者と相談して決めていただきます。地方では、まだまだデザインやコピー、文章の大切さや重要性を知らない方が多いので、この講座をきっかけに事業者のみなさんにもっと身近なものになってもらえたらと考えています。

もちろんこの間に物件を探すこともできますし、グルメマップや講座で知り合った事業者さんとの仕事を開拓するのに使ってもいいかも。そして、報酬もそれなりに出ます。

筑後地域への移住を考えているクリエイターさんにとっては、移住生活の良い助走期間となるのではないでしょうか。注意点としては、車がないと不便な環境なので、移動手段の確保が必須だということ。

4ヶ月という期間を地域のことを深く知りながら過ごしてみることで、見えてくることも少なくないと思います。

地方での仕事を作りたいと考えているクリエイターの方、お待ちしております。

より詳細な募集要項はこちらをご覧ください。
応募は「ちくご暮らし」より。


【SOHO編】
移住者を惹きつける「うきは市」に暮らし、田舎での仕事を考える1ヶ月

今回のプログラムの舞台となるうきは市小塩地区。山間の谷ですが、開けており明るい雰囲気です。

移住者に人気のうきは市。
福岡の移住先としては、糸島と並んで人気があります。個人的には、海と言えば糸島ですが、山と言えばうきはでしょうか。

うきはの魅力はまず自然環境。
北には筑後平野広がり、南には雄大な耳納連山がそびえています。耳納連山から町を眺めると、視界の向こうに平野がどこまでも広がり、本当に気持ちがいい。

その自然環境を活かして、山辺ではぶどうや柿などの果樹、平野部では麦や米、野菜など農産物の栽培が盛んです。これだけでは他の地方とあまり変わらないのですが、うきはの中心部は伝統的建造物群保全地区に指定され、その白壁の町並みにはカフェ、パン屋、ギャラリーなどが建ち並び、歴史と文化を感じさせる魅力も備えています。

また、ここ最近では耳納連山の中腹にセンスの良いお店が増え、週末には多くの人で賑わっています。

左:春には果樹園の花が満開。ちなみにこちらは桃の花。 右:吉井町の白壁の町並み。

今回の舞台は、うきは市の中でも山間部に位置する小塩(こじお)地区。
すぐ隣は大分県日田市ということもあり、林業が盛んな地域です。

写真で見ると、結構な山の中ですが、町の中心部まで車で20分と買い物などもさほど不便でなく、そして何よりインターネットの光回線が使えるのが驚き。今まで色んな地域でトライアルステイを行なってきましたが、モバイルルーターでしかネット利用できず、都会と同じネット環境を用意できなかったことが悩みでした。

左:大学生と地域の人の交流会。 右:小塩地区で採れたきのこで商品開発も。

また、この地区では九州大学とコラボレーションして地域の魅力を再発見し、情報発信を行うなど地域外の人を受け入れる土壌もあります。

とはいえ、田舎でクリエイターとして働く際に、「ネットがあれば何とかなるのか?」「地方で新しいクライアントは開拓できるか?」など、不安な点も多いと思います。

そこで、実際にうきは市でフリーランスで働くデザイナーの川口さんにインタビューをしました。
川口さんは、うきは市の住環境と人々に惹かれ移住し、独立されました。ちなみに奥さまは耳納連山の中腹で「テカラ」というギャラリーを営んでいます。

インタビューに答えてくれた川口さん夫婦(左2人)。

ーーどんな仕事をされているのでしょうか。

もともとは映像の仕事をしていて、今は写真やグラフィックデザインもしています。あと、キャラクターを作ったり、お面や缶バッチなどの商品を作ることもあります。うきはに移住し、独立したばかりのころは仕事がなかったので前の会社に仕事をもらってやっていましたが、妻がやっているギャラリーのフライヤーがきっかけでデザインの仕事などが来るようになりました。営業はしたことがなく、過去の仕事を見た人が依頼してくれたり、誰かの紹介で仕事をいただくことが多いです。

ーーうきは市で仕事する魅力はなんでしょうか。

暮らしに重点を置けることでしょうか。仕事をするためにうきは市に来たわけではなくて、ここで暮らしたいと思い移住を決めました。
その暮らしの中でお店だったり、畑だったり、デザインの仕事など好きなことを自分のペースでできることが魅力だと思います。

ーーうきは市で仕事する上でコツはありますか。

自分の専門にこだわらないことですかね。うきは市に来るまでは映像の仕事をメインにしていたのですが、こちらに来てからデザインや写真の依頼を受けることも多いので、仕事の幅を広げています。
はじめからはお金にならない店のフライヤーや地域のマップなどを作っているうちに、それを見た人から仕事をいただくことも多いので、自分が面白いと思うことを自発的にやることがコツかもしれません。

左:川口さんが作成したキャラクターの缶バッチ。 右:奥さまが営んでいるテカラの店内。

それではプログラムの概要をご紹介します。

1ヶ月間うきは市の戸建住宅に住んで、うきは市の情報発信をしていただくというもの。

期間:2014年7月~2014年11月のうちの2週間~3ヶ月
募集定員:若干名(個人のほか家族またはグループでの参加も可)
報酬:5万円
賃料:月額500円(水道光熱費は自己負担)
応募締め切り:6月22日(日)

居住物件は、山間の谷にある日本家屋。意外に開けていて、緑に囲まれています。
敷地内には畑や納屋もあり、いろいろなことができそう。

左:緑に囲まれた日本家屋。 右:室内は8畳の和室が3つも連なり、広々とした空間。

居住する期間は2週間~3ヶ月と自由に選べ、仕事の時間配分などは自由ですので、自分のスタイルに合わせて普段の仕事をするのもいいですし、地元や近郊での仕事を開拓するのに使っても。打ち合わせなどで福岡や東京を行き来することもOKです。

もちろんこの間に物件を探すこともできます。そして、少しですが報酬も出ます。
田舎へ拠点を移したいという方には、本当にできるか試す機会としてちょうどいいのではないでしょうか。注意点としては、車がないと不便な環境なので、移動手段の確保が必須だということ。

福岡R不動産ではこれまでも移住のお手伝いをしてきましたが、都会にはない魅力を持った物件を見つけることはもちろんのこと、移住先で仕事ができるのか、そして地域に気の合う人を見つけられるかというのが結構重要だったりすると感じています。

実際に住んでみることで初めて分かることも多いので、地方に拠点を移すことを考えている方、お待ちしております。

より詳細な募集要項はこちらをご覧ください。
応募は「ちくご暮らし」より。


【アーティスト編】
2ヶ月間、「筑後市」で暮らし制作・発表するアーティスト・イン・レジデンス

昨年のアーティストの作品。久留米絣の技法を使って出した青がとても印象的です。

昨年から始まったアーティスト・イン・レジデンスプログラム(注)。
筑後市に新しい芸術文化交流施設「九州芸文館」がオープンしたことがきっかけで始まりました。


(注)アーティスト・イン・レジデンス:アーティストを一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながら作品の制作を行なってもらう事業。作品の制作だけではなく、ワークショップや地域住民との共同制作を行うこともある。

とは言っても、もともと現代アートが深く浸透している地域とは言えないので、ゼロからのスタート。
正直どうなるか不安だったのですが、結果的には多くの人の協力を得ることができ、多くのメディアにも取り上げられ、好評の内に幕を閉じました。なので、今年も開催できることになりました。

ここ10年ぐらいで、全国各地で行われるようになったアーティスト・イン・レジデンス。
その目的はいくつかあると思いますが、筑後市のプログラムでは、久留米絣を素材として作品の制作に取り組んでもらうことで、アーティストにとっては新しい繋がりと技術的な協力などを通して作品の幅を広げるきっかけを作ること、地域にとってはアーティストという新たな視点が入ることで地域の魅力を再発見することを目的としています。

昨年初めて行なって筑後市らしいなと感じたのが、地域の人の協力。久留米絣の工房さんをはじめ多くの人が制作をサポートしてくれ、アーティストとの交流や共同作業を楽しんでいました。

左:職人さんにいろいろと教えてもらいました。 右:久留米絣の工房の設備を借りて制作するアーティスト。

左:オープンアトリエの時にはたくさんの方が。 右:地元の人にも設営を手伝っていただきました。

特に印象的だったのが成果展の打ち上げ。 普通はアート関係者ばかりが集まることが多いのですが、ここでは、地元の人が中心。さらには市長まで参加いただきました。


※昨年のプログラムの様子は昨年のアーティストのブログからご覧ください。

さて、プログラムの内容は2ヶ月間筑後市で暮らし、筑後地域の資源を活用した作品を制作、展示していただくというものです。制作を通して地域の人たちと交流し、作品発表やワークショップという形でこの地域の新しい魅力を発信してください。

テーマとなる「地域資源」は昨年に引き続き、久留米絣(くるめかすり」。
今年も市内の久留米絣の工房さんのサポート付きです。

ここで簡単に久留米絣の説明を。
久留米絣は江戸時代の後期に久留米在住の井上伝により創始された藍染の絣。あらかじめ木綿糸をくくり、藍と白に染め分け、その糸(絣糸)を用いて製織し、文様を表します。伊予絣、備後絣とともに日本三大絣の一つで、1957年に国の重要無形文化財に指定され、太宰治が好んで着ていたことでも有名です。最近は、伝統を守るだけではなく、吉田カバンやBEAMSとコラボレーションするなど新しい動きも生まれています。筑後市はこの久留米絣の中心的な生産地のひとつです。

久留米絣の工房の様子。これをテーマにどんな作品が生まれるのか楽しみです。

完成品である反物をそのまま使うのはもちろん、材料(糸や染料)や工程、機材、デザイン等それにまつわるテーマであればOKです。久留米絣をテーマに他の材料と組み合わせるのもアリでしょう。

続いて舞台となる展示スペースのご紹介。

左:昨年の4月にオープンした「九州芸文館」。 右:展示場所となるエントランスホール。

展示・発表の場所は九州芸文館のエントランスギャラリー。広さは約100平米、高さが最大9.8mの空間ですので、かなり大きな作品も展示可能です。

また、本館の入り口ということもあり、訪れた全ての人の目に触れる目立つ場所でもあります。建築家の隈研吾氏が創り出した空間を作品でアレンジしてみてください。


※エントランスの詳細の図面はこちら

そして、アトリエ兼居住スペースとなるのは、別棟の茶室も備える約200平米の大きな日本家屋。九州芸文館からも徒歩15分、自転車なら5分程度。周りには田園風景が広がり、落ち着いた環境です。特に茶室の2階はのんびりした空気が流れ、創作意欲が掻き立てられるかも。アトリエスペースは、広さ43平米、高さ2.5mの箱。すぐ隣に風呂があり、水場へのアクセス良好です。また、駅が近いので福岡市内にも出やすい立地です。


※アトリエスペースの詳細の図面はこちら

左:居住物件は庭木に囲まれたレトロ戸建。 右:アトリエスペースと茶室の2階。

滞在中の生活面、地元住民や久留米絣の工房との橋渡しなどのサポートは筑後市の担当者が、制作面でのサポートは九州芸文館のスタッフがしてくれます。また、筑後市を拠点に、個性豊かな特色がある筑後地域を満喫するのも良いのではないでしょうか。

こちらにプログラムの概要をまとめました。

対象者:地域の新しい魅力を創り出すことに興味のあるアーティスト(ジャンルは不問)
募集定員:1組(個人、団体)
期間:2014年10月15日(水)~12月15日(月)(公演期間や展示期間を含む)
引越し費用補助:上限3万円
作品制作費:上限25万円
滞在費補助:10万円(滞在期間分合計)
審査員:
筑後市長 中村 征一
九州大学大学院 人文科学研究院教授 後小路 雅弘
九州芸文館館長 津留 誠一
他4名
応募締め切り:2014年8月15日(金)

より詳細な募集要項はこちらをご覧ください。
応募は「ちくご暮らし」より。

※写真の一部は筑後市提供


【木工職人編】
歴史ある木工のまち「大川」の家具職人に学び暮らす3ヶ月

こんな大木から板を作るのも大川ならでは。

職人の世界に興味があっても、どこから入っていいのかなかなか分かりにくいもの。

昨年のトライアルステイ体験者の1人は、木工職人の世界に興味はあったけど、なかなかきっかけがなかったそうです。もともとは福岡市内のインテリアショップで家具の販売をしていた方。自分の手でものを作ることには興味があったそうですが、職人の世界でやっていけるかは不安だったようです。

でも、実際に3ヶ月間、働いてみてものづくりの面白さを再確認し、そのまま移住し、研修先に就職しました。

左:こんな大木が町中にあるのも大川ならではの光景。 右:外見からは分かりにくいですが町中に家具工場が。

また、当初このプログラムでは、別の業界から木工の世界に入ってくる人を想定していたのですが、昨年のもう1人の体験者は、東京の家具工場で働いている職人さん。研修先の職人さんも「自分と技術は変わらない」と認めるほどの腕前。自分のスキルを活かしつつ西日本に移住することを考えていたところでこのプログラムを知り、応募したそうです。


※昨年のプログラムの様子は、参加した体験者のブログがありますので、こちらをご覧ください。

ひとくくりに家具制作・木工と言っても、地域によってやり方は違うようで、大川の職人さんたちと交流し、お互い刺激を受けていました。他の地域の職人さんと話していて再確認した大川の強みは、木工に関わるあらゆるものが揃っていること。他の全国にある家具の産地と同じだろうと思っていたのですが、大川はレベルが違うそうです。

例えば、朝材料が少し足りないと電話すれば、普通では何日もかかるものがその日の昼には届いたり、機械が故障したら、すぐに見てくれその日のうちに直ったりと、スピード感が違います。これも木工に関わるあらゆる業者が集まっているから。

今回の受け入れ先は、そんな大川の幅の広さを体験していただくため、材木の卸から家具の製作まで行なっている株式会社プロセス井口の井口さんにお願いしました。もともと製材所だったのですが、今の代になった際に材料の仕入れも始め、今では家具の製作まで行なっています。

左:広々とした井口さんの工場。 右:職人さんが様々な機械を駆使して家具を作っています。

左:材木屋さんもしているのでたくさんの木材が。 右:工場の隣は麦畑。今の時期は金色に輝いています。

最近では東京の老舗結婚式場「八芳園」に世界中の大使を招いたパーティーで使用される組み立て式の茶室を制作したり、有名なペットのトリミングサロンさんとコラボレーションして犬小屋を制作したりと新しいことにどんどんチャレンジしています。

一番の特徴は、自分たちの会社だけで自己完結していないところ。
月の半分は東京などの県外にいる井口さんが、あらゆるネットワークを活かして、木に関するあらゆる仕事を取ってきます。その中には、自分のところだけではできない難しい注文も結構あるそうです。

そんな時に活きてくるのが、材木屋としてのネットワーク。長年、大川の様々な工場に材木を卸している経験から、どこの工場がどんな技術を持っていて、金額や納期の早さなど特徴を把握しているため、その時その時で適切な工場とチームを組んで、難しい注文に応えていくのです。まさに大川の力を結集して、新たな世界を切り開いています。

受け入れ先の井口さんに伺いました。

左:大川の未来について語る井口さん。 右:東京のあるパーティーのために作った一枚板のオブジェ。

ーー様々な企画をされていますが、今後はどのようなことを考えていますか。

まずは、大川の技術の凄さをもっと知ってもらい、もっとたくさんの仕事を大川に持ってきたいです。それと、職人の高齢化が心配なので、技術がまだあるうちに若い人に熟練の技を伝える学校のようなものも作りたいですね。そう意味では今回のプログラムはちょうどよかった。

ーー応募される方にアドバイスをお願いします。

技術に関しては3ヶ月で習得するのは無理ですけど、木工の面白さを伝えられたらと思います。インテリアや家具が好きなら誰でも大丈夫です。自分たちで製品を企画することも多いので、デザインをしている人にも来てもらえると面白いかと思います。これからブランドをつくっていこうとしているので、一緒に作っていく人がいいですね。

そして今回、大川が持つ木工技術が積極的に活かされ継承されていくことを目的に、研修型の体験居住プログラムを企画しました。

3ヶ月間大川に住み、家具職人のもとで働き、暮らすというものです。

左:居住物件は歴史を感じる白壁の邸宅。 右:大川のシンボル「昇開橋」。

居住物件は、大正時代に建築され、かつては醤油問屋だった白壁造りの古民家。
筑後川を挟んで対岸は佐賀県という県境に位置しています。

目の前には国の重要文化財である昇開橋がそびえ、徒歩5分で昇開橋温泉というのも魅力の一つ。

木工の経験がある方もない方も、ものづくりに興味があればOK。
3ヶ月という短い期間では技術をものにするところまで辿り着くのは難しいと思いますが、そのまま職人の道を極めるもよし、その知識や経験を建築設計や施工など、関連する分野で活かすというのも面白いかもしれません。

プログラムの概要をまとめました。

期間:
第1期 2014年8月~2014年11月(居住12週、研修10週程度)
第2期 2014年11月~2015年2月(居住13週、研修11週程度)
募集定員:各期1人(個人のほか家族の同伴可)
報酬:15万円(ブログでの情報発信の委託料として)
賃料:1,500円/滞在期間合計(水道光熱費は自己負担)
応募締め切り:6月22日(日)

より詳細な募集要項はこちらをご覧ください。
応募は「ちくご暮らし」より。


【酒造り編】
江戸時代から続く久留米市田主丸の酒蔵で日本酒造りを学ぶ3ヶ月

海外から酒造りをしに来る方もいる老舗酒蔵。ちなみにこの作業は、山にして寝かしていた麹を手で砕く作業。

九州と言えば焼酎のイメージですが、実は福岡、日本酒造りが盛んです。
特に筑後地域はきれいな湧水が豊富なため、たくさんの造り酒屋があります。
その中でも歴史があるのが今回の受け入れ先でもある久留米市田主丸の若竹屋酒造場。
若竹屋酒造場のはじまりは元禄12年。西暦でいうと1699年。忠臣蔵で有名な赤穂浪士が仇討ちをしたのが1702年なので、その時にはすでに酒造りをしていたのです。社長の林田さんはなんと14代目。

最近では、日本酒だけではなく、田主丸の特産物でもあるぶどうを使ってワインも作っています。

左:歴史を感じさせる外観。 右:江戸時代に建てられた蔵をリノベーションしたお店。

日本酒を飲む機会はありますが、どうやって作っているのか中々イメージが湧かないのではでしょうか。
そこで、みなさんの代わりに日本酒が大好きな僕が、取材と称して1日酒造りを体験してきました。

左:麹を麹室から外に出して混ぜる作業。 右:蒸し上がった米はスコップでかき出してました。

朝7時20分、この日の朝礼が始まります。この日はまだ遅い方らしく、忙しいときはもっと早いことも。
1日の流れを確認し、今日仕込む分の米を蒸す作業から。それと並行して、寝かした麹を樽に入れ、一昨日から麹室で寝かしている麹を外に出し、麹菌をまぶした米を砕きます。この酒造りの肝となる麹づくりは、麹を48時間寝かせないといけないため、夜も交代で番をします。

そして、米が蒸し上がると、大きな釜からスコップでかき出し、そのまま仕込みに使う米はタンクに、麹として使う米は麹室に運びます。この日は普通酒だったのでパイプを通して空気で送りましたが、大吟醸などを作るときは人の手で運ぶそうです。

この作業が一番の力仕事。酒造りは体力が必要だと思っていましたが、それ以上に一つ一つ丁寧な仕事が求められる仕事でした。そのため、男性だけではなく女性の方も酒造りをしに来るそうです。

この日の作業はこれで終了。あとは使った道具の掃除と翌日の準備。酒造りは人の口に入るものを作っているので、清潔な環境が最も大切。仕事の半分近くはこの掃除と言っても過言ではありません。全ての作業が終わるのは大体16時ぐらいです。

一つ一つの作業は正直地味ですが、少しの違いがお酒の味に関わってくるので、とても丁寧さが求められます。

左:仕事の半分近くは掃除と言っても過言ではありません。 右:イギリスとアメリカからの蔵人と杜氏の横尾さんと新酒で乾杯。日本酒トークで盛り上がりました。

仕事が終わったら、同じように冬場だけ働いている蔵人(注)仲間と出来立ての日本酒で乾杯。
この日もイギリスから新しい蔵人が来たので、宴会が始まりました。英語と日本語が飛び交っていましたが、日本酒という共通の話題があるので話は尽きません。外国人に限らず、日常ではなかなか出会うことのないバックグラウンドを持った人と時間をともにできるのも若竹屋酒造場の魅力の1つです。

また、休みの日はそんな個性的な蔵人仲間と遊びに行くのも面白そう。


(注)蔵人:冬場に酒造りのために酒蔵で働く人々

左:耳納連山から見下ろす筑後平野。 右:田主丸にはお洒落なカフェやショップが点在しています。

そもそも、この久留米市田主丸は移住者にとても人気のエリア。
南にそびえる耳納連山は雄大で、下から見るのもいいですが、上からの筑後平野の眺めも気持ちがいい。
その中腹にはお洒落なカフェやショップが並び、週末には多くの人で賑わいます。

今回は住み込みと近くの物件滞在の2パターンを用意しました。

滞在物件No.1:住み込みバージョン

左:酒蔵の中にある住み込み部屋。 右:はじめは驚くお風呂。でも、お湯はとても良かったです。

住み込みは正直ハードルが高いです。寝るところは雑魚寝ですし、お風呂は酒蔵の中にある小屋。慣れるまでは落ち着かないかもしれませんが、学生時代にバックパッカーでゲストハウスによく泊まっていた僕としては、どこか懐かしくすぐに蔵人仲間と馴染め、こちらの方がお勧めです。小屋のお風呂に初めは驚きましたが、日本酒と同じ水を使っているお風呂は浸かると肌がスベスベになり、1日の疲れを癒してくれます。

滞在物件No.2:山小屋バージョン

左:森の中に佇む山小屋。 右:オーナーさんが丁寧に手入れしているお庭。

もう1つは、センスの良いカフェやショップが並ぶ山苞の道から少し登ったところにある山小屋。
もともとお花屋さんをされていたオーナーさんが丁寧に手入れされている森に母屋と離れが3つ。その離れ2棟を今回貸していただきす。離れは1つ1つが狭く、水回りが別々にあったりするので、長期滞在となると不便を感じるかもしれませんが山小屋での生活を試してみたい方はよい機会かと。敷地には季節ごとに花が咲き、畑やバーベキュースペースも。田主丸の里山ライフを味わうにはもってこいの物件です。ただし、職場の酒蔵まで距離があるので、車などの移動手段は必須というのと、森の中なので、動植物との共生であるのもお忘れなく。

プログラムの概要はこちら。

期間:2014年12月~2015年2月の期間の内1~3カ月間
募集定員:若干名(個人のほか家族の同伴可)
研修費:無料
報酬:日給6,000円~7,000円
賃料:月額500円(水道光熱費は自己負担)
応募締め切り:8月31日(日)

※住み込みの場合、賃料は無料。まかない1食500円。

期間は最長3ヶ月ですが、希望によってはそれよりも短い期間にすることもできます。

それと、定期的に酒造りの日々や田主丸での暮らしをブログで発信していただきます。
田主丸は来る人を虜にしてしまう魅力があるので、酒造り以外の時間もぜひ楽しんでください。

より詳細な募集要項はこちらをご覧ください。
応募は「ちくご暮らし」より。


【柳川編】
「柳川」で神棚職人と川下りの船頭に学び暮らす3ヶ月

柳川と言えば、この川下りと鰻。

柳川と言えば川下りと鰻(うなぎ)。福岡の人はもちろん、県外にも有名な観光地です。
今回は、その柳川に受け継がれる「神棚職人」と「川下りの船頭」の仕事を体験しながら、水郷のまちでの生活を楽しむプログラムを用意しました。

なんで神棚と思った方。ありがとうございます。
実は柳川、九州で唯一手作りで神棚を作っている地域なのです。

研修先は古賀神棚店。今の社長の古賀さんで2代目、再来年で100周年を迎える老舗の神棚屋さんです。そんな神棚職人の古賀さんのもとで3ヶ月間、みっちり神棚づくりを習得してもらいます。

はじめは、神棚の需要は減ってきているし、厳しい世界だから弟子はもうとらないと言っていた古賀さんですが、「覚悟がある人が来るのであれば」と受け入れを了承してくださいました。

左:神棚職人の古賀さん。 右:工房はコンパクトにまとまり機能的に。

左:かんなだけでもこれだけの種類を使い分けます。 右:古賀さんが作った伊勢式の神棚。

こう書くととても厳しい、職人のストイックさが伝わってしまうと思いますが、実際はとても気さくな方です。毎回お話を聞くたびに、そこには笑い声が絶えません。

神棚職人は神棚だけではなく、神輿や神社の細かな装飾も作るそうです。神社というと宮大工をイメージしますが、2メートル以下のものは、神棚職人が作っています。さらに、古賀さんは伝統を守るだけではなく、宝くじ専用の神棚を作る等、新しいことに果敢にチャレンジしています。この宝くじ神棚、ちょうど伺う直前にテレビで取り上げられ、注文が殺到して1ヶ月待ちの人気だとか。

そんな古賀さんですが年齢的なこともあり、引退を考えているそうです。そのため、弟子になれるのは今回が最後のチャンスかもしれません。

木工の経験がある方もない方も、ものづくりに興味があればOK。
3ヶ月という短い期間では一人前になるのは難しいですが、自分が職人に向いているかどうか見極める期間としてはちょうどいいのではないでしょうか。

一方、川下りは言わずと知れた柳川の名物。
でも、ここ数年は、船頭の高齢化が進み、後継者が少なくなってきているのも事実。

左:秋に行なわれる白秋祭にはたくさんの船が。 右:まち中に水路が張り巡らされています。

左:柳川の結婚式では、花嫁を船で送ることも。 右:有明海が近いので、運が良ければこんな夕焼けも。

こちらも若い後継者を求めています。

とはいえ、はじめは船を動かすことさえ難しく、何回も水に落ちる覚悟が必要です。そのため、ひとりで船を漕ぐ練習から。さらに、船頭は船を動かせるだけでは不十分で、お客さんを楽しませるために船を動かしながら柳川の案内もしなければなりません。

その点については、安心してください。先輩の船頭さんが指導してくれます。

体を動かす仕事ですが、力というよりバランス感覚が重要なようです。女性の船頭さんもいらっしゃるので、ご心配しなく。むしろ、男性が多い職場なので、女性が増えると嬉しいという声も。

川下りの船頭を通して、柳川の新たな魅力を発信して下さる方、お待ちしております。

物件は、今年オープンした柳川のお試し居住物件。

左:縁側がある平屋。 右:室内は改装され、きれいです。

物件は川下りのコースの横にある平屋。柳川らしさを満喫できる物件です。室内はきれいに改装され、庭には畑もついており、農作業もできます。休みの日は、縁側でのんびりしながら、先輩たちが漕いでいる船を眺めるのも粋なものではないでしょうか。

プログラムの概要をまとめました。

期間:
神棚職人 2014年8月~2014年10月(居住12週、研修10週程度)
川下り船頭 2014年11月~2015年1月(居住13週、研修11週程度)
募集定員:各期1人(個人のほか家族の同伴可)
報酬:15万円(ブログでの情報発信の委託料として)
滞在費補助:6万円
賃料:無料
応募締め切り:6月30日(月)

より詳細な募集要項はこちらをご覧ください。
応募は「ちくご暮らし」より。


※締切日(プログラムによって締切日が違います。)
6月22日  SOHO編、木工職人編
6月30日  クリエイター編、柳川編
8月15日  アーティスト編
8月31日  酒造り編
(応募方法は各プログラム紹介ページに記載しています。)

※本事業は福岡県と筑後地域の12市町で構成された筑後田園都市推進評議会が主催しており、福岡R不動産は委託を受けプログラムの企画・運営をお手伝いしています。

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