2010.7.9
改造ハウスが完成~入居者が改装しながら住む物件~
福岡R不動産のアイコンには「改装OK/未内装」というのがあり、賃貸物件では入居者による改装後の状態を新しい原状とみなす、バリューアップ原状回復についても提案している。
オフィスや店舗ではあっても、住居物件で入居者が改装するというのは日本では稀なケースのようだ。(ぼくたちにとっては極々自然なんだけど・・・)
というわけで、今回の入居者レポートは「改造ハウス1号2号」というタイトルで募集していた、2つの古い戸建を改装しながら住んでいる事例のご紹介。
募集当時の物件は1つの敷地に2つの古い戸建が建っていて、それを一括で貸したいというのがオーナーさんの希望だった。
内装はご覧の通りボロボロで、とてもこのままでは貸せそうにない。と考えるのが普通かもしれないが、純粋に僕たちは「このままで面白いじゃん」と思った。
そして入居者が自由に改装してもOKという条件(すなわち改装後の状態を原状とみなし、退去時はその状態に戻せばよいとする)で、「改造ハウス1号2号」というタイトルで募集したところ、程なくして借り手がついた。
借りていただいたのは某企業に勤めるEさんとYさん。二人は職場の同僚で、それぞれ一人暮らしだが、「戸建を改装しながら住めるなんて面白い」と思い、この物件に決めていただいた。
こちらがEさんの家。改装前は見事に痛みきった内装だったが、自分一人で、土日の休みの度に改装を続け、こだわりの空間が出来上がった。
誰でもできそうな「塗装」だけではなく、建具の製作や間仕切りの設置、床貼りなど、とても素人とは思えないほどの範囲をたった一人でやり遂げているのは驚きだ。これでは職人さんの仕事がなくなってしまうではないか、といらぬ心配をしてしまうほど。
元の和室だった姿が思い出せない変わり様。
「未内装の状態で住み始め、住みながら働きながら土日を利用して作業したので、ここまで作るのに半年くらいかかりました。かかった費用は材料費だけだし、材料もハンズマン(ホームセンター)やヤフオク、楽天とかで購入したので十数万円くらいですよ。」
「図面を書いたり、デザインを書いたりしなかったので、作りながら完成形をイメージしていきました。そのため、せっかく壁を貼って塗装したのに、イメージと違うので壊してやり直したりということもありました。」
と、とても簡単そうに話していただいたが、改装を仕事としているぼくたちから見ても、正直すごいと思った。
なんと水周りまで変えてしまった。参りました。
一方Yさんが借りた家は、最近までオーナーさんが住んでいたので、比較的内装は綺麗だった。こちらは家具や照明にこだわったのと、棚の設置などで済んでいるが、レトロな雰囲気を活かした個性的な空間に。
古い木造戸建なので、オシャレな家具が映える内装ではないけど、自分流にアレンジすることで、他にないたった一つの空間ができあがっている。
和室にDJブースを作って趣味の部屋にしてしまうテクニック。勉強になります。
古いけれど自分で改装すれば使える。そのアイデアのおかげで、二人は90平米の戸建(庭と駐車場付き)にお得な賃料で「一人暮らし」できている。90平米もあるから二部屋くらいは余っているし、庭もいじりがいがあるので、今後はそこも手をつけていきたいとのこと。
福岡R不動産スタッフで押しかけ、ワールドカップを一緒に観戦。
こう書いてみると入居者にばかり良い条件に聞こえるが、オーナーさんにとってもハッピーなのだ。
ボロい状態から原状回復をする費用をかけなくて済んだのはもちろん、本来であれば募集前に原状回復するため、「ニーズをはずした内容の改装をしてしまうリスク」があるのだが、それも見事に回避できる。さらには現入居者が退去したとしてもこれだけオリジナリティのある部屋であれば、すぐに次の入居者も見つかる。
物件が古くてどうやって募集をしたら良いかお困りのオーナーさん、まずはそのままで募集してみるというのも一つです。改装してしまう前に是非福岡R不動産までご相談を。
海も川も緑も、そして街も空港も、なんだってすぐそこにある福岡。東京から移住して、気づけばその魅力を満喫すべく、会社を立ち上げたり、倉庫のような物件を改装してオフィスにしたり、果てには芥屋の海沿いに土地を買ってしまったり。徐々に増えていく福岡R不動産のメンバーとともに、この街の魅力を再発見する日々を綴ります。
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