2010.4.20

 

福岡的二拠点居住の始まり

 

実は、昨年僕は糸島半島の先端、芥屋(ケヤ)というところに土地を買ってしまった。

「買ってしまった」というのも、本当にそんな感じで、軽いノリで始まったできごとだから、そう表現したい。

東京と房総の二拠点居住を始めた馬場さんや、房総R不動産の佐々木さんが福岡にやってきた際、僕は「糸島の海がいかに綺麗で、いかに近いか、東京出身の自分としてはそのバランス感はどんな都市にもない魅力だ」と力説していた。そして、「いつか住んでみたい」と。

思えば、相談した相手がまずかった気もする。なにしろ二人ともすでに東京から房総へ移住し、家を建てている。

「いいじゃん芥屋。サーフィンもできるし、ついでにビーチオフィスでも作っちゃえば?」

返ってきたこんな軽い(しかし、とてつもなく心を揺さぶる)房総ノリに、すっかりやられてしまったのだ。不動産情報には苦労しない環境も手伝って、その2ヵ月後には土地を購入していた。

その後の建築計画についても是非お話したいのだが、それはまた先に譲りたい。


そんな僕の計画はまだ途中段階であるが、事あるごとに、中心部に小さなマンションを持ち(実際に僕は昨年薬院という場所に古いマンションを購入した)、糸島の海辺にも小さな家を持つという二地域居住スタイルを話していた。

ある時、ひょんなことから出会ったYさんにその話をすると、「え?!まさにそれ僕がやってますよ。しかも芥屋と薬院で!」という思いも寄らない言葉が返ってきた。

そんなことを聞いてしまったら行くしかない。というわけで、さっそくYさんの芥屋の家にお邪魔してきた。

Yさんは福岡の中心部、薬院(やくいん)にマンションを持ち、平日はそこで過ごし、毎週金曜から日曜は芥屋の家でリラックスできる時間を過ごしているという。

これが芥屋の家のテラス。
県外の方は驚くかもしれないが、この景色が福岡の中心から車で1時間で手に入るのだ。(高速を使えば40分!)

あまりの気持ちよさに言葉が出なかった。うらやましい。うらやましすぎる!

夫婦で静かに時を過ごしたり、友人を招いてゆっくりと食事を楽しんだり、Yさんは薬院と芥屋を行き来する二拠点生活を始めて2年になるとのこと。

ダイニングとリビングを隔て、両方と会話ができるキッチンが主役。

Yさん夫妻にこの生活が始まった経緯を尋ねてみた。
「昔から、休みのときは糸島に遊びに来ていて、いつかは家を持ちたいと考えていたんです。マンションのローン返済に目処がついたこともあって、真剣に土地を探し始めました。海が見える土地は必然的に傾斜地で、基礎を作るのに膨大な費用がかかるので、あきらめかけていたのですが、たまたま造成済みの土地に出会えて、ラッキーでした。」

地元の食材を食べられることのありがたみを感じる。

「海は綺麗だし、自然があって空気もおいしい。それから、食べ物が本当においしいですね。山の幸、海の幸はもちろん、糸島豚なんかもあって、家で景色を楽しみながら食事しているだけで満足ですよ。家の庭に小さな畑を作って、トマトを作ったりもしているのですが、これも郊外だからできる楽しみですね。」

福岡での二拠点生活は、経済的にも時間的にも東京の約半分でできてしまう。決して豪遊しているわけではなく、あくまで堅実に創造的に二つの家を選択することにより、この暮らしを手に入れることができるのだ。

都市部と海の関係性がこれほど魅力的である街というのはそうないはず。僕が福岡に定住することを決めたのは、やはりこの点によるところが大きい。

ライフスタイルの選択として、一度東京に出て、また福岡に戻ってくる人が増えているのも非常に納得だ。

このブログについて
 

海も川も緑も、そして街も空港も、なんだってすぐそこにある福岡。東京から移住して、気づけばその魅力を満喫すべく、会社を立ち上げたり、倉庫のような物件を改装してオフィスにしたり、果てには芥屋の海沿いに土地を買ってしまったり。徐々に増えていく福岡R不動産のメンバーとともに、この街の魅力を再発見する日々を綴ります。
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著者紹介
 

本田雄一
長谷川繁
坂田賢治
松尾隆文

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