面積：

111.97㎡

不動産が好きな方であれば、なにげなく歩いている最中「なんだコレ？」という具合に足を止めてしまう建物があったりすると思いますが、当物件はまさにその類のやつ。

数ヶ月前、2階の別区画で大好評をいただいたマンションですが、1階のお部屋もご縁をいただくことができました。

外観や共用部などがユーモアで溢れていて、タイトルの通り「気の向くままにコンクリートを造形してみた」という設計士の声が聞こえてきそうなデザインです。具体的には、『途中で切れていてどこにも繋がっていない階段』とか、『わざと破壊されたように見せた柱』などなど。かなりアーティスティックに振り切っています。

話は変わり、室内はゆとりある4LDKのメゾネット。吹き抜けから注ぎ込む陽光と、それを取り込む大開口の各窓面は良くも悪くもな個性ですが、その先のお庭も含め、開放的な空間をお求めの方には高確率でブッ刺さるはず。

コンクリート打ちっぱなしだったり、優しげな木材を使った各個室の壁などに対し、床材やシューズボックスなどは無難なもので落とし込んでいるあたり、ややチグハグな印象を受けるのですが、水まわりも含め全体的な状態としては良好なので、お好みに合わせて部分的なブラッシュアップをするだけで、より理想の世界観に近づけることができるでしょう。

勘違いしてほしくないのは、決してこの建物に向けて「アート」という言葉を冠したわけではないということ。ここで過ごすあなたの日々そのものも含めて美しく、それが素敵な暮らしの本質だと個人的には思っているからです。

この造形美に気構えるのではなく、逆に、気楽に親しんで、面白がって、愛してほしいと思います。こども達にとっては自由な広場のようであり、記憶に残る楽しい実家であってほしいとも。

僕としては、そんなメッセージを受け取っている本作品。皆さんの目にはどんなふうに映るでしょうか。