入居者レポートの最近のブログ記事

| コメント(0)

text=長谷川 繁(福岡R不動産)

福岡R不動産スタッフで一夜限定!BARのマスターになっちゃいました。

s-rb1.jpg

軽い気持ちで始まったこの企画。と言うのも、R不動産で仲介させて頂いた物件で、ちょっと変わったシステムのBARが始まったのがキッカケ。それは日替わりでマスターが変わるというシェアハウスならぬシェアリングバー。利用希望者は一日単位で借りることができて、これから独立したいという方がここで腕試しをするもよし、ちょっとしたイベントで使うのもよし、もちろん趣味でもなんでも一度でいいからカウンター越しに「マスター!」と呼ばれてみたかったあなたでも、一日限定でマスター気分を味わうこともできてしまうのです。家にオフィスに車に「シェア」というスタイルが浸透してきたこの時代とはいえ、BARまでシェアするとは・・・。

s-rb2.jpg
最初はほそぼそとやるつもりだったのですが・・・、なんと来客は70人超え!びっくりです。

この面白いシステムはどう生まれたのかを探るべく、今回お借りしたシェアリングバー「UNDERBAR」を運営するカラクリワークス(デザイン会社さんです)の代表後原さんにお話を伺ってきました。

― ―そもそも、なぜシェアリングバーを始めようと思ったんですか
「ウチの会社はメインでWEB関係のデザインをしているんですが、どうしても仕事の関係上、人付き合いやつながりってIT関係ばかりになってしまいがちなんです。それはそれで悪くないのですが、なんと言うか狭い世界に納まりたくないと言うのか・・・もっともっと色々な業界の人と交流ができて、横のつながりを持てるそんな場所を作りたかったのが一番ですね。だから僕たちは、仕事においてもWEBと言う枠にはとらわれず、ありとあらゆるものを対象としたデザイン会社でありたいと思ってるんです。それとまあ、月に1回でも自分がカウンターに立って、だらだらバカな話しながら酒が飲める遊び場でも出来ればいいや!ってのもありますけど(笑)」

s-rb3.jpg
募集時はこんな感じでした。怪しげな空間と周りから逸脱した「新宿ゴールデン街」みたいな建物の雰囲気が良かったらしい。

― ―実際に日替わりマスターはどんな方々がいますか
「まだまだ、知り合いベースでマスターしているケースも多いんですけど、それでも今までのマスターの業界で言えば、学校の先生、税理士さん、アパレル、人材派遣、企業コンサルとか・・・そして不動産!サッカーの代表戦の時なんかはスポーツバーになったり。毎週◯曜日とか毎月◯日とか、定期的にやる人もいます。それにこの場所での出会いをきっかけに起業した人もいたり、ここで出会った同士がコラボして仕事したりして、だんだんと面白いことになってきました。今後、個人的には映画や音楽でもなんでもいいんですけど、モノづくりをしている人に集まって欲しいですね」

s-rb4.jpg
最近開かれた「ポッキーBAR」も大盛況。それぞれのマスターがテーマをもって企画するのも面白い。

実際に僕らがやらせて頂いた「R BAR」の時もいろいろなジャンルの方に来て頂いたのですが、そこで出会った同士が酒を交わし、堅苦しくないラフな感じで名刺を交換し情報交換をしたり、と思えばお客さんが次は我こそとBAR企画を考えたり、隣りでは他愛もない話で盛り上がったり。これをお客さんが入れ替わってもずっと繰り返していました。友達になるような感覚でどんどん人と人がつながっていく光景を目の当たりにして僕自身も妙に居心地の良さを感じ、後原さんの言う「そんな場所」にワクワクとしてしまう一人となってしまったのでした。

s-rb5.jpg
「UNDERBAR」を運営するカラクリワークス代表の後原さん。

長い将来を見据え、これから今以上にもっともっと誰でも気軽に、いつ行っても様々なマスターとお客さんが遊びながら人が繋がっていくコミュニティを根付かせたい、と語っていた後原さん。先日ちょうど一周年を迎えたUNDERBARは遊び心の中にある確かな使命の元、確実にその魅力を発揮し、独自のコミュニティを築き始めている。まだ足を運んだことのない皆さんも一度行かれてみては、いやいやいきなりマスターでBARイベントやってみてはどうでしょう。

カラクリワークス
http://www.caracri-works.com/

「UNDERBAR」 (アンダーバー)
福岡市中央区今泉1-23-4新天神ビル2F
http://underbar.in/
お店のスケジュールを知りたい方やマスターをやりたい方はこちらから。

大きな地図で見る

| コメント(0)

text=長谷川 繁(福岡R不動産)

博多でも天神でもない、福岡市西部の副都心「西新」の住宅街にオープンしたのが住宅・店舗などの設計施工を手掛ける建築事務所「Huset(フーセット)」。

huset1.jpg

「人見知りな平屋」と言うタイトルで募集していた物件で、その名の通り道路からは全く視認できない路地奥に建っていた。室内は古びた内装に使いにくい間取り、住居としてはなかなか借り手も付かない状況が続いていたのですが、そんなマイナス面が高じて「店舗・オフィスでの利用や改装も相談受けます!」と、思わぬ面白い条件がつく経緯となった。

huset2.jpg
改装前はこんな状態。室内も写真で見る以上にくたびれていました。

そんな折、独立に向けて事務所を探されていた中西さん・堀之内さんとの出会いが、この戸建を見事に生まれ変わらせることになります。

― ―お二人に物件を借りるまでの経緯をお聞きしました。
「もともとは、小さな倉庫を探していましたが、倉庫ってやっぱりそもそも大きいものなので、自分たちのイメージに合うサイズの倉庫が見つかりませんでした。あとは、簡単なモデルルーム機能も持たせたかったので、探しながらイメージを膨らませていくうちに倉庫だと設備工事と合わせて内装費用が掛かり過ぎると言うネックが出てきました。それからは、ビルの1階にあるようなテナントも見に行ったりはしましたが、何となくしっくりと来るものが無くて・・・。

この戸建は規模や条件もちょうど良かったし、ずっと気になって気になって(笑)。冷静になって考えてみると、不特定多数のお客さんを呼び込む業種やスタイルでもないので、住宅街であることは気にしませんでした。むしろ妙な引っ込み具合、この路地のようなアプローチの存在に惹かれたんです。オフィスの顔がちょっと不思議なアプローチなんて面白そうって。それに見えないことで、見える部分にだけ重点的に改装にメリハリを付けることができると言う部分もメリットに思えました。あとは感覚的にピンと来ました!」

huset3.jpg
改装中。築40余年、壁や天井を剥がすと想像以上に傷みもありました。

この改装には、2つのテーマがあった。ひとつはオフィス環境を整えること。そして、2つ目はお二人が提案する住宅機能のひとつのテーマ「心地よい温熱環境」を自ら実践し体感できる場所をつくること。そのため、メインルームはスケルトンにしてほぼ一から改装を施した。

huset4.jpg
玄関回りもすっきり。枕木とレンガが敷き詰められたアプローチに期待感が膨らみます。今ではこのアプローチを見てご近所さんが「何屋さんですか?」と尋ねに来ることも。

huset5.jpg
北欧テイストにアレンジされた玄関も可愛らしくて雰囲気がいい。

huset6.jpg
ホワイトカラーに木の素材感、照明や家具。どれもが心地よく調和しています。

huset7.jpg
天井の高さや大きな窓面も気持ちのいいポイント。お二人自らも塗装したりしたそうです。

正直、原形がハッキリと思い出せないほどの変わりようにびっくり。せっかくの窓の多さや風の通り道を邪魔していた細切れの間取りがすっきりとなり、爽やかに生まれ変わった。

この事例には、住宅街にオフィスを作ってしまったという新しさの他にも魅力的な要素が詰まっていた。古いものを簡単に壊していくのではなく、新しい価値を見出し現代に残していくということ。産廃を減らすこともできるし、新築を建てるよりも資材を使う量を減らし、自然環境への配慮の意味もある。また、大家さんにとっては、現状復帰前の状態で貸した物件を入居者がバリューアップしてくれるという貸し方でもあった。そして入居者は、やりたかったことを実践し望んでいた空間を手に入れることができた。今までの貸し方、借り方の視点を変える理想的なモデルのひとつとなったように思います。

Huset
福岡市早良区高取2-15-3
http://www.huset.jp/
husetomap.jpg

| コメント(0)

1年半前にぼくたち福岡R不動産がオフィスを引っ越してきた春吉。天神の南東側に近接していて、キャナルシティや市役所へも歩いてすぐ、オマケに那珂川にも面していて、ウォーターフロントという環境である。

s-te01.jpg
川を挟んで左側が春吉。右側がキャナルシティのある住吉。

東京で言うと、渋谷東エリアのような方角感と立地感、または日本橋のような空気感になると思うのだが、なにせコンパクトシティである福岡では、中心まで徒歩2、3分で行けてしまうほどの密接感。控え目に言っても、ポテンシャルはかなりある。

しかしながら、昔で言う連れ込み宿があった歴史や、今でもラブホテルや危険な香りのする建物が少々残っているため、一般的にはちょっと敬遠されるエリアだというのがぼくの印象。

そんな中で、数年前からデベロッパーが春吉の川沿いエリアに目をつけ、リバービューの商業ビルやマンション開発が進んできている。これはこれで面白いと思うし、対岸から見たスタイリッシュな建物群はとっても魅惑的だ。

s-te02.jpg

一方で、木造2階建ての小さな古家もまだまだたくさん残っており、これらを改装した飲食店も増えてきている。

どちらも仕事で関わることがあるし、どちらのタイプの飲食店にも行く自分としては、その混在感が好きだ。しかも、元々人気のあるエリアではなく、敬遠されていたのに徐々に人や店が集まってくる胎動や、そのおかげでまだ賃料の安い物件が残っていたりするギャップも気に入っている。

その春吉エリアに、また一つ新しいダイニングがオープンした。

こちらがその外観。お店の名前は「Telas&mico」。

s-te03.jpg

日頃あまり見ることのないパステルカラーでペイントされた素敵な建物だが、それもそのはず、フランス人を含めたデザインチームによって改装されたとのこと。

ちなみに、改装前はこんな状態。焼き鳥屋さんみたい。

s-te04.jpg
左が物件/右は春吉川沿いエリアの街並み

福岡R不動産で「はんなり店舗」というタイトルで募集していたこの物件。オープンしたお店は、カリフォルニアロールと英国のフィッシュ&チップスと本格バングラディシュカレーが一緒に出て来るような多国籍料理のダイニングという変わり様だ。

s-05.jpg
2階の窓側の席からは、那珂川を眺められる。

s-te06.jpg
夜もまたいい雰囲気。

s-te07.jpg
天井を抜いて木造の良さを引き立てつつ、パステルカラーで塗り分けられた空間は、こじんまりしていながらとても心地いい。

s-te08.jpg
早速食事をいただいてきました。とてもおいしいので是非!

オーナーの久保田さんによると、
「川沿いというのが決め手でした。内装のイメージも固まりやすかったですね。春吉は各店舗の個性/個が強いイメージがあり、大型飲食店が少ないので、個人でもやりやすい環境だと思います。今後は第二キャナルや博多駅再開発もあって、天神との中間地点である春吉周辺に人の流れが増えていくのではないでしょうか。お店の方は、2階のスペースをギャラリーや物販としても活用していきたいと思っています。」

とのこと。個人的に、天神から東へ働く引力についてとても同感。以前親不孝通りでお店をしていた久保田さんには、エリアの衰退と発展という変化がヒシヒシと伝わっているようだ。

内装デザインを担当した設計事務所ラントマンさんも、「福岡の街がインターナショナルになってゆくのが楽しみ。周りの建物も塗って、オランダの水辺みたいになればいいのに・・・」と面白いことを言われていた。

日々物件を探したり、紹介したりする中で、エリアの見方を改めて考えるRemappingをし続けているぼくたちにとっては、やはり春吉はかなり面白い。みなさんも、是非一度春吉にオフィスや店舗を構えるということを考えてみてはいかがでしょう?

s-temap.jpg
Telas&mico(テラスとミコー)
福岡市中央区春吉2丁目1-16
TEL:092-731-4917
営業時間:18:30〜翌2:00
定休日:月曜


以前コラムで紹介した春吉のPUB「HUCKLEBERRY Fin club」

福岡R不動産で掲載中の春吉の物件たち。(2011年1月24日現在)
「いとをかし那珂川」
「めんそーれ春吉」
「サンカク屋根の家オフィス」
「春吉でお店を始めよう!」
「春吉フラッシュ」

| コメント(0)

s-go6.jpg

大博通りの一本裏を並行して走る「御供所(ごくしょ)通り」をご存知でしょうか?昔はたくさんのお寺があったという御供所町と上呉服町を結ぶ道。

今でもいくつかの広大な敷地のお寺がひっそりと佇んでいるが、それほど人通りもなく、物静かな下町通りという印象。

以前は個人商店が立ち並ぶ活気ある通りだったようだが、近年は店がほとんどなくなり、口を閉ざしたようにシャッターが並ぶ景色になっていた。

しかし、ここ数年で、面白い動きがいくつか出てきた。

デザイン事務所やカメラマンのスタジオなど、いわゆるクリエイティブな職業の人たちが、静かな通りと緑豊かなお寺の環境、天神エリアよりも手頃な賃料に惹かれ、オフィスを引越してきたのだ。

s-go5-1.jpg

PHOTO: SHINYA MATSUSHIMA

古いマンションの1階部分と倉庫を改装したオフィスデザイン会社addalpha(アドアルファ)さん。

s-go7.jpg

オフィスのデザインやCGパースを作っているので、煮詰まったときは外で一服。たまに、会議も道端でしてみたり。

そんな新しいオフィスライフを満喫していると、訪れた人に御供所町の雰囲気の良さを感じてもらえるそうだ。

すると、間もなくして隣の建物に、本当に知人のカメラマンさんが移ってきた。

s-go8.jpg

PHOTO: SHINYA MATSUSHIMA

カメラマンの集まるアジト、Nouvell Gallery(ヌーベルギャラリー)さん。外にはお寺の門構えが見えて、新しさの背景に伝統が見え隠れする空間。1階の過ごしやすさを感じます。

s-go5.jpg

こちらは花屋「月麦(つむぎ)」さんと博多織工房「博多TSUKURI堂」さんが隣合わせに。どちらも新しいのに下町風情に溶け込んでいる。

やはり、建物の1階に雰囲気の良いテナントが入ると、それだけで道の印象が変わる気がしてならない。

店が店を呼び、店に来る人が人を呼び、徐々にエリア自体が注目されていく。陽の当たらなかった通りが、いつの間にか眩しくなってくる。

どうやら、この流れは万国共通のようだ。

s-go9.jpg

ちなみに、7月の山笠では、この御供所通りを駆け抜ける。伝統も所々に残っているのが御供所通りの面白さ。


そしてこの度、その「御供所通り」に町屋を改装したカフェがオープンした。

建物は、ほんの半年前までボロボロな状態だったが、オーナーさんが外壁など主要部分を改修し、福岡R不動産で「町屋再生プロジェクト!」というタイトルで募集した。

s-go2.jpg

左から改装前→改装中→改装後。みごとな変わり様。

s-go3.jpg

内見時はひどく荒んだ状態。外壁が壊れてる!

s-go1.jpg

2階のスペースにオープンした「お菓子と珈琲 Simplicit'e(サンプリスィテ)」

店主の難波さんが1人で切り盛りしている小さなカフェ。店の扉を開けた瞬間に広がる、コーヒーと木の香りがなんとも癒し系だ。

s-go4.jpg

お店の名前「Simplicit'e」はフランス語で、英語の「シンプル」に当たる。素朴な内装と素朴なお菓子、素朴なコーヒーをいただきながら、難波さんに尋ねてみた。

--いくつくらい物件見ましたか?
「1つ目です。初めて内見してすぐ決めてしまいました。2年くらい前からお店を出したいと考えていたのですが、この町家のイメージが思い描いていたイメージにぴったりだったので・・・。それからは一気に2ヶ月でオープンまで進みました。」

--人通りは少ない場所ですが・・・
「大人の女性が一人でも入りやすいお店にしたかったので、人の多い中心部でやろうとは思いませんでした。周りにお寺などもあり、お客さまが寛げる環境が気に入りました。仕事中にふらっと立ち寄っていただいたり、遠方からわざわざお越し頂いたり、皆さん思い思いにリラックスしていただいています。近くにもオシャレなオフィスがあったりするので、これからの通りの変化も楽しみです。」

個人的にもこの通りの変化は楽しみだ。さらに御供所エリア自体を活性化させようと、地域の方々と引越してきた若手クリエーターが手を組み、369プロジェクトという名前で活動を広げていくとのこと。今後も目が離せない。

ちなみに、町屋の1階はまだテナント募集中なので、こちらのお問い合わせもお待ちしております。
町屋再生プロジェクト!


お菓子と珈琲 Simplicit'e(サンプリスィテ)
福岡市博多区上呉服町3-4-2F
TEL:092-262-5012
営業時間 11:30~17:30 不定休


今回ご紹介した御供所通りの新鋭スポットはこちら。

より大きな地図で 御供所通り を表示

| コメント(0)


福岡R不動産のアイコンには「改装OK/未内装」というのがあり、賃貸物件では入居者による改装後の状態を新しい原状とみなす、バリューアップ原状回復についても提案している。

オフィスや店舗ではあっても、住居物件で入居者が改装するというのは日本では稀なケースのようだ。(ぼくたちにとっては極々自然なんだけど・・・)

というわけで、今回の入居者レポートは「改造ハウス1号2号」というタイトルで募集していた、2つの古い戸建を改装しながら住んでいる事例のご紹介。


s-kaizo2.jpg

募集当時の物件は1つの敷地に2つの古い戸建が建っていて、それを一括で貸したいというのがオーナーさんの希望だった。

内装はご覧の通りボロボロで、とてもこのままでは貸せそうにない。と考えるのが普通かもしれないが、純粋に僕たちは「このままで面白いじゃん」と思った。

そして入居者が自由に改装してもOKという条件(すなわち改装後の状態を原状とみなし、退去時はその状態に戻せばよいとする)で、「改造ハウス1号2号」というタイトルで募集したところ、程なくして借り手がついた。

借りていただいたのは某企業に勤めるEさんとYさん。二人は職場の同僚で、それぞれ一人暮らしだが、「戸建を改装しながら住めるなんて面白い」と思い、この物件に決めていただいた。

s-kaizo3.jpg

こちらがEさんの家。改装前は見事に痛みきった内装だったが、自分一人で、土日の休みの度に改装を続け、こだわりの空間が出来上がった。

誰でもできそうな「塗装」だけではなく、建具の製作や間仕切りの設置、床貼りなど、とても素人とは思えないほどの範囲をたった一人でやり遂げているのは驚きだ。これでは職人さんの仕事がなくなってしまうではないか、といらぬ心配をしてしまうほど。

s-kaizo5.jpg
元の和室だった姿が思い出せない変わり様。


改装にかかった期間、費用などを教えていただけますか?
「未内装の状態で住み始め、住みながら働きながら土日を利用して作業したので、ここまで作るのに半年くらいかかりました。かかった費用は材料費だけだし、材料もハンズマン(ホームセンター)やヤフオク、楽天とかで購入したので十数万円くらいですよ。」

自分で全部やった分、人工代がかかっていないとはいえ、そんなに安くできたんですか?!苦労したことなども教えてください。
「図面を書いたり、デザインを書いたりしなかったので、作りながら完成形をイメージしていきました。そのため、せっかく壁を貼って塗装したのに、イメージと違うので壊してやり直したりということもありました。」

と、とても簡単そうに話していただいたが、改装を仕事としているぼくたちから見ても、正直すごいと思った。


s-kaizo4.jpg
なんと水周りまで変えてしまった。参りました。


一方Yさんが借りた家は、最近までオーナーさんが住んでいたので、比較的内装は綺麗だった。こちらは家具や照明にこだわったのと、棚の設置などで済んでいるが、レトロな雰囲気を活かした個性的な空間に。


s-kaizo0.jpg
古い木造戸建なので、オシャレな家具が映える内装ではないけど、自分流にアレンジすることで、他にないたった一つの空間ができあがっている。


s-kaizo7.jpg
和室にDJブースを作って趣味の部屋にしてしまうテクニック。勉強になります。


古いけれど自分で改装すれば使える。そのアイデアのおかげで、二人は90平米の戸建(庭と駐車場付き)にお得な賃料で「一人暮らし」できている。90平米もあるから二部屋くらいは余っているし、庭もいじりがいがあるので、今後はそこも手をつけていきたいとのこと。

s-kaizo1.jpg
福岡R不動産スタッフで押しかけ、ワールドカップを一緒に観戦。


こう書いてみると入居者にばかり良い条件に聞こえるが、オーナーさんにとってもハッピーなのだ。

ボロい状態から原状回復をする費用をかけなくて済んだのはもちろん、本来であれば募集前に原状回復するため、「ニーズをはずした内容の改装をしてしまうリスク」があるのだが、それも見事に回避できる。さらには現入居者が退去したとしてもこれだけオリジナリティのある部屋であれば、すぐに次の入居者も見つかる。

物件が古くてどうやって募集をしたら良いかお困りのオーナーさん、まずはそのままで募集してみるというのも一つです。改装してしまう前に是非福岡R不動産までご相談を。

| コメント(0)

s-naga0.jpg

長浜鮮魚市場に程近いとある古いビルの一画が、今とても熱い通りになっている。
「新長浜横丁」・・・そう入居者さんが勝手に名づけたこの路地は、厳密には道路ではなく、新長浜ビルという一つの大きな建物の敷地内通路である。


築51年を迎えるこの建物の1階は、長浜市場に近いこともあり、古くから寿司屋、そば屋、喫茶店などが軒を並べる隠れた飲食店街となっていた。


この通りが変わり始めたきっかけ
それは、2年ほど前に福岡R不動産に届いたメールだ。


s-naga1.jpg
横丁の全貌。右の黒い壁の部分が、設計事務所跡。


高原正伸建築設計事務所の高原さんから、「中央区長浜で設計事務所としてスペースを借りていたのですが、志摩町へ移転することにしています。昭和な路地に面した格安のスペースで、もったいないので誰かいい人がいればと思い、連絡した次第です。」というメッセージ。


今思えばこの高原さんの想いが、次の借り手に伝わり、さらに思いもよらぬ動きに発展することになるのだが、とにかく僕たちは設計事務所の跡っていうのは大抵面白い物件だという嗅覚を頼りに見に行ったのだった。


s-naga11.jpg

そして案の定物件はいい感じであり、さらに古い建物独特の雰囲気に親しみを覚え、「横丁ワンボックス」というタイトルで募集すると、あっという間に借り手が決まってしまった。


s-naga2.jpg

それが、アパレルショップDirectors。天井抜いて、かなりの開放感。


s-naga3.jpg

昔から営業している飲食店の方にお話を聞くと、「こんなところで洋服屋さん?!大丈夫?」と驚かれていたが、実際僕たちも初めは驚いた。人通りは少ないし、特にターゲットになるようなオシャレな人はとても見当たらないような路地だったので。


どんな経緯でこの物件に出会ったのでしょうか?
Directorsの藤戸さんによると、「アパレルと言っても、元々は卸専門でしたので、ここでの販売以外にも仕事はしてるんです。そろそろ直営店を出したいな、と考えていた時に福岡R不動産のサイトでこの物件に出会い、ショップ兼アトリエで借りたいと、内見する前からもう決めてました。実際今でも人通りがガッツリ増えましたってことではなく、知っている人がここを目指して来てくれてます。路地なので賃料が安いのと、すぐそばでうまいゴハンを毎日食べられるのがうれしいですね。」とのこと。


そして、オフィスが集まってきた。
Directorsがオープンしてから程なくして、風変わりな入居者さんを連れてきた僕たちに驚いたオーナーさんから、「2階も空いてるんですよ。」ということを聞き、今度は「横丁クラスルーム」というタイトルで募集してみた。


s-naga4.jpg

当時いくつか空いていたが、本格的に募集をしていなかったため退去時のまま放置されていた。


s-naga5.jpg

その結果、2階に入っていただいたのは、2組の設計事務所さん。本当に学校みたいに並んでいて、「横丁クラスルーム」というタイトルがぴったりの空間。

(左)構造設計事務所 アトリエ742 
(右)ナガハマデザインスタジオ http://nds-blog.jugem.jp/


さらに、アパレルショップと飲食店がオープン
実は、この建物にはまだ空いている区画があったのだ。しかし、あまりのボロさ故、オーナーとしてももう募集をしていなかった。実際、内見してみると本当にボロボロで、壁には地震の影響で大きなクラックが走っているし、水周りも悲惨な状況だった。


それでも良いということで、借りていただいたのが、アパレルショップknotさん。


s-naga7.jpg

天井抜いて白く塗る。たったそれだけだけど、全然イケてる。


s-naga6.jpg

お店の顔はこんな感じ。「え?また洋服屋さん?!」と近所の方が驚いたのは言うまでもない。


もう1件は、30年以上続いた喫茶店「つどい」というお店の跡を改装し、「海鮮角打つどい」という飲食店をオープンさせた葉山さん。


s-naga8.jpg

「良い名前だったんで、前のお店の名前もらっちゃいました。内装もほとんどそのままですよ。一部壁を塗装したのと、空調を入れ替えたことくらい。ほとんど費用かかってないんです。」と葉山さんが言う通り、たしかに内装はほとんど変わっていない。見事なリニューアルオープン。


s-naga9.jpg

先日は「つどい」にて店舗同時オープンの合同イベントが行われた。ライブもあり、鍋もあり、僕も楽しませてもらいました。


新長浜横丁の今後
昔からの飲食店が連なる路地だったこの横丁に、少しずつ新しい風が吹き始めている。アパレルって大名とか今泉でしょ?っていうエリアの概念も打ち壊し、新しい人の流れができていくのはお店の持つ力だろう。


しかし、そんな新長浜ビルだが、実は平成27年以降には取り壊されてしまう可能性があるのだ。耐震性の問題や配管の更新、エレベーターがないことなど、古い建物が壊されるのには仕方のない理由もある。でも、せっかく面白くなってきたので、少しでも永く建ち続けて欲しいものだ。


s-naga10.jpg

ここが横丁の入り口。なにやら怪しい看板があったり、昭和な香り。


車が通らないだけで、こんなにも流れる時間がゆっくりしているのかと感じる横丁ストリート。行ったことがない方は是非立ち寄ってみてはいかがでしょう?


s-map.jpg
福岡市中央区長浜2-4 新長浜ビル内

Directors(ディレクターズ)
http://www.directors2.com/
Open 13:00 Close 21:00 日曜定休
Tel 092-751-5511

Knot(ノット)
http://knotthings.com/
Open 13:00 Close 20:00
TEL 092-713-8715

海鮮角打つどい
Open 17:00 Close 24:00 日曜祝日定休
Tel 092-713-8177

| コメント(1)

最近、立て続けに女性のお客さんがお店をオープンしている。

開業というと、3ヶ月で黒字化を目指す!なんて鼻息の荒いイメージを思い浮かべるかもしれないが、福岡R不動産で物件を決めていただいた方々は、古かったり路地裏にあったりと、賃料が控えめな物件を選ぶことが多く、どちらかというと、ほんわかマイペースにスタートしている。

というわけで、今回は2つのケースをご紹介してみます。


1)アパートの1階に、小さなパン屋さんを開業

南区大楠にオープンしたのはベーカリーショップ「コウブツ」。


koubutu-1.jpg


お店の入っている建物は、大和荘という名前のコテコテの木造アパート。その1階部分は、小さな土間空間と奥に4畳半の和室というかわいらしいサイズの箱だった。奥からおばあちゃんが出てきそうな駄菓子屋さんっぽさがあり(実際は違うのだが・・)、「おばあちゃんの小さな箱」というタイトルで募集することになった。


koubutu-2.jpg


程なくして物件を決めていただいたのが、「コウブツ」を一人で切り盛りすることになった藤田さん。以前からパン屋さんを開業したいと思っていたとのことで、初めてお会いしたときにはガッツのある女性を想像していたが、これが予想に反してマイペースな方だった。

ところで、これまで福岡「R工事」では、お客さんとコンセプトや作りたい空間のイメージを打ち合わせながら、デザイナーさんや工事業者さんを紹介し、コーディネートするスタンスで改装工事のお手伝いをしてきた。しかし、諸事情により今回はぼくたちが実際に工事をすることになったというのが新しい変化だった。


koubutu-3.jpg
とりあえず真っ白に塗ってみた。


オープンの日取りが決まったので、フライヤーとか作った方がいいのでは?と藤田さんに投げかけてみても、「いえ、一人でやるし、最初からあんまり多くのお客さんに来ていただいて、品切れだったら申し訳ないし・・・」というほんわかモード。心配してインテリアデザイナーの窪山さんがショップのフライヤーを手作りしてくれたくらいだ。

なんともマイペースな独立開業であるが、打ち合わせや工事が進むにつれ、これも一つの形なのかもしれない、とぼく自身も妙に納得していった。


koubutu-4.jpg
藤田さん自ら作成中。まさに「手作り」の看板。


koubutu-5.jpg
無事オープンできました。お母さんが大活躍!頼もしいです。


自分のペースで、小さくても納得できるものを作っていきたい。お店の形に縛られる必要もないし、一人でやれる範囲でやる。というのもとても良い考え方だな、と改めて思った。


koubutu-6.jpg

コウブツ
福岡市南区大楠3-8-16-大和荘1F
TEL:092-524-1139
営業時間:7時~17時
定休日:月曜、第1日曜

s-s-koubutu-map.jpg


2)古ビルをギャラリーに改装

赤坂のミニビル最上階に現代アートギャラリー「アルドマ」がオープンした。


ardma-1.jpg


オーナーは、以前は全く違う業界で営業職をしていたという前田さん。

画家である父・前田齋さんの影響もあり、いずれはギャラリーを通してアーティストのお手伝いをしたいという想いがあったそうだ。業務縮小に伴う勤務先の退職を機に、開業を決意。というなんとも今っぽく、思い切ったライフスタイルの選択にも惹かれるものがあります。福岡R不動産でいくつかの物件を内見し、大通りから一本入った静かな環境と開放的な窓に惹かれ、小さなビルの3階にあるこの物件に決めた。


ardma-2.jpg
アートな可動間仕切り。


さらに美術家である弟・前田耕さんがデザインされたというギャラリーの内装も、かっこよくてオススメです。


ardma-3.jpg
オープニングの様子。ギャラリーというよりカフェのようだ。


「ギャラリーとしても様々な企画をしていきますが、貸しギャラリーや、イベントスペースとして貸し出すことも考えています。奥の壁は可動式になっているので、企画によって広さを変えることもできるんです。」と前田さん。

「絵そのものはもちろん、絵を飾りたくなるインテリアまで提案したい」とのことで、今後はその場で壁の絵を仕上げるライブペイントを行う予定もあるとか。


ardma-4.jpg
飲み屋になっちゃってます。イベントにバッチリの空間。


小さくても自分のお店を持ちたい。そんな憧れを実現することは、ここ福岡においては、決意さえあれば案外叶いやすいのかもしれない。そして、そんな暮らし方を選ぶ方が増えてきているようだ。

Gallery ArtdeMaA(ギャラリー アルドマ)
福岡市中央区赤坂2-2-47-K赤坂ビル3F
TEL:092-791-6281
営業時間:11時~20時
http://artdemaa.com/

ardmamap.jpg

| コメント(0)

中途半端なこだわりならやめた方がいい。遊び心を込めるなら、本気の趣味を、本気で遊ぼうじゃないか。

春吉の路地裏にひっそりと、しかし派手にオープンしたPUB「HUCKLEBERRY Fin club」にはそんなポリシーがぎっしりと詰まっている。

bun-1.jpg

元々は「春吉全員集合」というタイトルで募集していたこの物件。ごく普通の古い戸建で、募集時はレトロなんて褒め言葉も浮かばないほどのボロさを醸していた。

bun-b1.jpg

春吉の中でも比較的天神に近い立地にあるものの、路地裏からさらに細い路地に入るマニアックかつ"絶対に"通りがかることがない場所にあったため、店舗で検討するも、決断しきれない・・・という方が多かった。

そんな時、店舗デザイン会社「ブンファクトファイブ」代表の山田さんが内見に訪れた。パンクヘアに80'Sのアメリカンロックスタイルのファッション、永遠のツッパリ少年という言葉の似合う外見は、奇抜なファッションの方が多い福岡R不動産のお客さんの中でも一際異才さを放っていた。

さらに、「パソコンの使い方?知らないですよ。」とアナログ人間のポリシーも貫く山田さんは、もちろんインターネットも使ったことがないため、知人が「福岡R不動産」のサイトで探してきたこの物件と出会ったのだった。

店舗デザインを仕事としている山田さんは、元々福岡中心部の路地裏飲食店を多数手がけていたので立地への違和感はなく、店としての営業よりも本気の趣味の場所づくりに重きを置いていて、かつデザインのショールーム的要素も含まれていたため、この物件に決めることにした。

かくして、このボロい戸建住宅は、店舗デザイン事務所兼PUBという用途で生まれ変わることになる。

bun-k1.jpg

壁や天井を丁寧に壊していくと、想像以上に味のある柱・梁が出てきた。

bun-2.jpg

約1ヶ月の改装期間を経て完成したのがこちら。わかりづらいですが、頭上にはベンチがぶら下がっていたり、ピンボールが置いてあったり、と遊び心いっぱい。

個人的なイメージでは、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーの中で、昔にタイムスリップした時の酒場のような感じ。別にその時代に酒を飲んでいたわけでもないけど、どこか懐かしさを感じることができる空間だ。

bun-3.jpg

好きな物を集めて、好きなデザインを作って、好きな仲間と集う場所。

誰しも少年(または少女)であったころに、「みんなで集まる場所が欲しいよね」と話していたはずだ。その想いを、大人になっても持ち続け、少年のままの気持ちで形にしたのがこの場所である。

そんな懐かしい想いを再び思い出させてくれる空間で、楽しい気分になった。

bun-4.jpg
ブラウン管の中では、全盛期のマイケルジャクソンがシャウトしていた。

bun-5.jpg
2階にはドラムセットが飾ってある。

また、この店にはユニークなシステムがある。注文ごとに料金を支払うというのは一般的なPUBと同じだが、ここHUCKLEBERRY Fin clubではお店専用のコインを購入する形式なのが面白い。

1枚300円のコインを購入(チャージ)してコインで支払う。すべての飲み物・料理が300円、600円、900円・・・とコイン何枚分という料金設定になっているので、とてもわかり易い。

場所はわかりづらく、不定休でもあるが、めげずに行ってみて欲しい。きっと遊び方を気づかせてくれるはず。


s-bunMAP.jpg
HUCKLEBERRY Fin club(ハックルベリー フィン クラブ)
福岡市中央区春吉2-7-7
TEL:092-739-7277
営業時間:18~24時
※不定休(基本は火・水・金・土が営業日)

| コメント(0)

改装に際して考えた点といえば、賃貸物件であることを前提に、改装部分を絞り込み、できることは自分たちでやったことくらいだ。

なにしろ建築資材も職人さんも船でやってくるのだから、通常よりもコストは上がってしまう。「やらないことも選択肢」「できることは自分たちで」という前向きなスタンスで望む必要があった。

そして、1ヶ月の自主工事、業者工事を経て完成したのがこちら。

1.jpg

床を無垢フローリングに張替え、壁を珪藻土で塗装した。なぜかお祭り状態。

2.jpg
もっさりとした緑に囲まれた、当然のように海が見える環境。お風呂は外から丸見え。(来るのは動物くらいでしょうが)

3.jpg
造作やペイントデザインは奥さんでデザイナーのヤチヨさんが担当。あちこちで楽しい気分にさせられます。

4.jpg
バーベキューの肉をエサに、知人を島に呼んで、塗装パーティ。

こうして浅羽さん一家の能古島ライフは無事スタートすることができたのだ。

とはいえ島の中で生活を完結するつもりはないらしく、よくこっち(陸)にもやってくる。ふらりと福岡R不動産のオフィスに遊びに来たりもする。島暮らしが馴染んだせいか、ボロボロのジーパンにモジャモジャ頭というまるでバックパッカーの里帰りのような出で立ちで現れるため、スタッフの中では世捨て人とも言われている。

5.jpg

そんな浅羽さんの1週間のライフサイクルは、週に3~4回は打ち合わせで九州の各地を飛び回り、それ以外は能古島で釣り三昧という日々。島では畑も借りて、野菜や果物は採れるけど、スーパーなんかはないので、対岸のお店でまとめ買いするとのこと。

島人だけど、意外にもけっこう頻繁に本土に上陸して、仕事をしているのだ。

6.jpg
さっそくこんなものまで企画・販売をしている。抜かりない・・・。

7.jpg

先日能古島のアイランドパークにて行われた浅羽さんの結婚パーティの様子。特別な日とはいえ、かしこまらず、暖かい気候の中とても楽しい時間を過ごすことができた。

仕事が飲食関係の方はおいしい食べ物を持ち寄り、音楽関係の方は歌ったり踊ったり。参加者それぞれが得意分野で協力するという形も、能古島では自然としっくりくる。

島での暮らしぶりについて聞いてみると、「住むこと」と「働くこと」の境界がとてもあやふやであることに気づく。一日の中で「働く時間」と「余暇の時間」なんて切り分けて考えていないし、まるで全部が遊びのようにも見えるし、逆に全部が仕事のようにも見える。

「いやぁ、ただ面白いことが好きなだけですよ」

という浅羽さんのそんな価値観が、この実にうらやましいライフスタイルを生み出したのだろう。

有限会社ウィロー
http://www.monjayaki.com/willow/w_sample.htm

| コメント(0)

福岡は「便利」という言葉がよく似合う。買い物や食事、エンターテイメント(中洲を含む)などの消費スポットは洗練されているし、コンパクトなエリアに集約された都市生活は移動時間の短縮につながる。また、海へ山へ川へ、と自然との距離関係も抜群に良い。

そんな福岡においてさえ、あまりの近さに違和感を感じるモノがある。それは、博多湾に浮かぶ能古島(のこのしま)だ。

福岡県外の方のためにちょっと説明すると、住所は福岡市西区だから市内であり、愛宕浜の渡船場からフェリーで10分というアクセス。福岡の中心部から行っても40分もあれば着いてしまう。こんな身近に島がある、ということだけでも驚きに値するはずだし、航空写真で見てみるとその違和感はより一層強くなる。こんもり緑に覆われた島が博多湾にポツンと浮いている。

nocomap.jpg

フェリーに乗って10分。出発したと思ったら、もう着いている。それくらい近い。
しかし、船から降りたってみると、10分前にいた高層マンションの建ち並ぶ都会の住宅街とはまるで反対の、スローな空気の流れる田舎景色が広がっているのだ。

ferry.jpg
奥の大きい方がフェリー。対岸のマンション郡が見えるほどの距離関係。

この島にはおまわりさんは1人だし、消防車はなく、火事があったら本土から船で出動するため、到着までに住民がみんなでがんばるというシステム。車検が切れた軽トラックが普通に走っていたり、収穫した果物のおすそ分けなんて光景も当たり前だ。街中に暮らしている僕らからすると、とんでもない田舎に来てしまったような感覚。

その島がこんな風になっていたり、
camp.jpg

こんなカフェがあったり、
noconico.jpg

島からの景色がこんなことになっていたら、
nocoview.jpg

「住んでみたい」と思ってしまうのも無理がない。

さて、前置きがかなり長くなってしまったが、今回のレポートは、福岡R不動産で博多区在住の浅羽さん一家が能古島に移住するお手伝いさせていただいたお話。

浅羽さんは様々な商品の企画の仕事(例えば有名なのは「こどもびいる」や「ジンジャーエールn.e.o」)を手がけている。

「商品開発という仕事上、自宅と事務所を兼用できるし、どこに住んでもよかったんです。海のそばや、景色の良いところがよかったので、糸島の海岸線沿いの物件なんかもたくさん探しました。いろいろ考えた結果、以前「能古島サイダー」という地サイダーの商品開発に携わらせていただいた経緯もあり、能古島に絞って探し始めました。」

ところが、島での物件探しというのは、そんな簡単なものではない。まず、不動産屋がない。そして、インターネットで探しても賃貸物件はまず出てこない。(売買物件はポツポツとある。)そんな状況で見つけるには、人ヅテしかない。このハイテクな世の中でも、やはり最後に頼りになるのは人間関係なのだ。

「とにかく能古島の知人に空き家がないか、聞いて回りました。すると、意外にもたくさんあるんですよ。空いている家は。でも、仏壇が残っているから貸せないとか、身内にしか貸したくないとか、諸事情によりなかなか借りられる物件に出会えない状況でした。たまたま僕らはラッキーで、何度も通っているうちに良い物件にめぐり合えたのですが。」

こうして巡り会ったのが、この戸建だった。

s-RIMG0068.jpg

お世辞にもきれいとは言えないが、そうワガママも言ってられない。部分的に改装すればいいし、広い敷地にゆったりと建っているのも気に入った。目の前にはみかん畑があって、オーナーさんは「食べてもいい」と言ってくれた。

そしてなんと言っても感動したのは、この窓からの景色・・・
view.jpg
南向きに福岡の海岸沿い名所を一望できる。

こうして物件が決まり、R工事にて改装計画をスタートさせることになった。

noco.jpg

このコラムについて

海も川も緑も、そして街も空港も、なんだってすぐそこにある福岡。東京から移住して早4年、気づけばその魅力を満喫すべく、会社を立ち上げたり、倉庫のような物件を改装してオフィスにしたり、果てには芥屋の海沿いに土地を買ってしまったり。果たしてこの列車はどこまで行くのか?東京に戻る日は来るのだろうか・・・

著者紹介

本田雄一
株式会社DMX代表取締役

コラム一覧